キーストン時代の大量生産型公園コント。アイデアがギャグではなくシチュエーションという枠組みでしかないのでコミック力が乏しいのは言うまでもない。しかし、チャップリン、メーベル、マック・スウェインとマック・セネットファミリーが顔を並べる本作はそのキャスティングだけでお茶を濁せばよいという感の風合いで、ことさら欠点をあげつらうほどのものではない。作品の良し悪しは別として、現代のコント番組を見ているような予定調和でありながら、これはこれでひとつのパッケージとして出来上がっている。アルコール先生、ハネ子、アンブローズ氏とニックネームもつくあたり、キーストンフィルムというものは現代で言うテレビ的な仕掛の消化型演芸の元祖と思えば、時代に脈打つ源流としての現れを認めよう。