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[コメント] メーベルの窮境(1914/米)

主演メーベルの魅力の打ち出し方に特別な作為が見当たらずBAD
junojuna

 1910年代のサイレントコメディ映画を牽引した内の一人である才女メーベル・ノーマンドの主演作であるが、貴重なコメディエンヌとしての彼女の魅力を抽出するには届かなかったキーストン社のプログラム・ピクチャーである。彼女のベッド下での焦るアップの表情などが彼女の魅力をハイライトとした施しであったのかもしれないが、これでは、主演がアーバックルであろうが、チャップリンであろうがあまり変わり映えがしないため、キャラを立たせるという狙いよりもスターが動くというだけで成立せしめようとしていた映画黎明期の仕掛としてこれ以上語るべきものはない。脇役チャップリンなどはほとんど変質者といってよい珍妙な役所である。「アルコール先生」の萌芽が垣間見れる酔っぱらいの千鳥足で倒されてもなおメーベルに向かっていく様はまるでゾンビ映画のように気色悪い。マック・セネットの下での大量生産モデル「ハネ子」版。

(評価:★2)

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