コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] 猿の惑星 創世記(ジェネシス)(2011/米)

生半可な気持ちで「原点」に立ち返っていない映画。
炭酸飲料

スターウォーズしかり、バットマンしかり、ハンニバル・レクターシリーズ、X-MEN、etc・・・ いわゆる「前日譚」的な映画は日々作られている。 ある映画はその"ビッグタイトル"にふさわしい名作となり、ある映画は"ビッグタイトル"におんぶに抱っこしていた。

では、この「猿の惑星 創世記」はどうか?

私はこの作品を見て、所謂「アメリカ映画」について振り返っていた。 力持ちで義理堅い仲間。 老獪な参謀、 最初は敵対するも、後に共に戦うライバル。 そんな個性的な仲間達を圧倒的なリーダーシップで導く主人公。 ある時は西部劇で、ある時は戦争映画で、ある時は・・・と、 わかりやすくも熱くなれる物語によって、アメリカ映画は人を救い、町を救い、世界をも救った。 そして映画のテーマやスケールがより深く、よりグローバルな視点になってきている昨今、 王道な娯楽映画に飽きてきた人たちにこういわれ始めた。

「またアメリカ万歳映画か」

私は思う。この映画は、ただ、「アメリカ人」が「猿」になっただけだ。 「アメリカ万歳映画」が「猿万歳映画」になっただけだ。 でもこれは、猿と置き換えることによるアンチテーゼ作品ではない。 個性的な仲間と、魅力的な主人公がいて、 熱くなれるストーリーがあり、 最新のCG技術を、有効な場所で使うことで、 正々堂々とした、娯楽作品が完成する。 それのどこが悪いのか。 「アメリカ人」とか、「何人」とか、いいじゃない。 もう「猿」でもいいじゃない。 もう一度、娯楽としての映画を作ろうよ。 そんなメッセージが聞こえるのだ。 完全に私の考えすぎた結果のメッセージだろうけれども。

王道なくして邪道なし。 斬新な映画もいいけど、やっぱりこういう直球映画だって必要だよね。 鑑賞後には懐かしい満足感が溢れたのだった。

作品そのものも熱くなれる物語だけど、 「衝撃のラスト」の代名詞ともいえるこのビッグタイトル「猿の惑星」を背負い、 あまりにもストレートな娯楽映画を作りだした気概にも熱くなる。

これは「アメリカ万歳映画万歳映画」だ。

あ、猿だった。

(評価:★5)

投票

このコメントを気に入った人達 (2 人)chokobo[*] 緑雨[*]

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。