[コメント] ヘッド・ショット(2016/インドネシア)
激しいアクションの最中に、いかにも小手先で挿入しましたという感じの無駄なスローモーションになったり、攻防と呼ぶには行き当たりばったりのアクションが多くて、とにかく緩急がめちゃくちゃ。
バスの虐殺シーンも座席を貫通してマシンガンで乗客殺しまくりなのに、都合よくヒロインだけ無傷な意味がわからない。こういう描写のコントロールも全然できてないんだよなあ。
警察署でのテンポの悪さなんてその最たるもので、正直この映画の出来はここら辺でもう諦めた。
意味ありげなドアップ連続の取調べシーンの無駄さに始まり、わざわざ装填数を数えて弾切れを待ってるのにすぐ反撃しないで無意味にもたつくイライラ感、ショットガンを巡る鍔迫り合いで銃口が向けられたら「わわっわっ」とか声に出して脅える演出の意味不明さとか、ことごとく緊張を削いで映画に集中させてくれない。一体誰が考えてこんな編集になったんだ…
前半はストーリー上しょうがないとして、どうもイコ・ウワイスの動きすら迫力とキレがない気がして、作品へのやる気が低かったのかなあ、と思ったらアクション監督もやってるのだな…。ラストのタイマンも微妙で、本当になぜこうなった、と首をひねるばかり。
画面外にある天井の棚に頭を突っ込んだりとか、工夫された暴力の見せ方は結構唸るものがあっただけに、これらを活かせていない映画作りが残念でしかたない。腕を折るだけで何バリエーションもあったり、タイプライターの破片が刺さった拳をさらにロッカーに打ち付けたりのアイデアは、驚きと共に凄まじく痛そうでとてもよかった。ただ、それらも結局はアイデア止まりで、アクションシークエンスとして、さらにはストーリーを表現する域に全然達していない。総じて散漫な印象しか残らなかった。
あと、ヒロインは信じられないくらい可愛かったので、そこはとてもよかったです。
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