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[コメント] ピンクの豹(1963/米)

「今宵を楽しく」歌唱&ダンスシーンが突出している。クラウディア・カルディナーレは相変わらず美しいものの、彼女の出演部分はほぼ退屈で困る。仮装パーティシーンはそりゃ笑うわという意味でずるいが、ロケット花火の乱射はすばらしい。ロケット花火は破壊的な光の線を画面に走らせる映画的な小道具だ。しかも安価。
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 というわけで、派手なアクション映画を撮りたいけれども予算がないという方にはロケット花火の使用をおすすめします。曳光弾と同種の画面効果をリーズナブルな価格で得られます(上手に撮れば、ですが)。そこで思い出すのは黒沢清万田邦敏が自主制作時代に共同監督した短篇『逃走前夜』ですね。黒沢が演出を担当したという後半部は、夜の道を行く学生運動の闘士たち(?)を次々とロケット花火が襲うワンシーン・ワンカットになっています。バックに流れるシャープ・ホークスの「遠い渚」のためもあって、昂揚感・緊張感・寂寥感がない交ぜになった忘れがたいシーンでした。

(評価:★3)

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