[コメント] 死霊のえじき(1985/米)
ここでは馴致/調教を通じてゾンビと共存することが図られているのだから、問題となるのは人間とゾンビとの差異だろう。したがって演出の焦点がバブに当てられるのはしごく当然なことである。発砲! 敬礼!
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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巻頭における白昼のゴーストタウンに心を奪われた者としては、勝手ながらそれ以降の展開にはいささか失望を覚えずにはいられなかった。地下施設は確かにそれなりに魅力的な舞台設定だが、私たちはすでに『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』の地下室によって、「地下」に籠もることがゾンビに対しては無効であることを知っており、その負け戦ぶりに意外性は見出し難い。ゾンビを通して人間の暗部を描くという試みももはやそれだけでは目を惹かず、ゾンビ云々とは無関係に狂的な人物が紛れ込んでもいるのだから、むしろその試み自体にブレが生じていると指摘することさえできるだろう。
しかしながら、「バブ」と名づけられた一体のゾンビの扱いの面白さは掛替えのないものだ。その面白さとは、いま仮に「一体」と云ったけれども、むしろ「一人」と云ったほうが適当ではないかと思わせるロメロの演出、ハワード・シャーマンの演技、トム・サヴィーニのメーキャップのことである。
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