[コメント] ミッドナイト・エクスプレス(1978/米)
映画が社会の不正を告発する作用を持つことは、以前から知られていたし使われてきた。その作用を最大限に反映させた映画がこれ。
オリヴァー・ストーンは一流の脚本家である。
この映画を観たのは、今はなき大阪堂島の「大毎地下劇場」の2本立ての1本でだった。 観た後左手が痙攣するようにぶるぶる震えて、外に出ると日が暮れ真っ暗だった。 怖くなった僕は急いで「梅田東映」ビルに入り、既に観た『パリのアメリカ人』を見直した。
それぐらい怖かった。軽い気持ちでトルコからハシシ2グラムを持ち出そうとした青年。それは誰にでもあるいたずら心からだった。 だからこの映画の中での刑務所の出来事は誰にでも起こることだと肌で感じた。
アメリカという常識が通用しない恐怖。全く理屈が通らない不条理の世界。暴力とホモセクシャルが横行する刑務所の実情。
「気をしっかり持て!」と言われてもこの状況じゃ無理だ。狂気の一歩手前までいった青年の気持ちは良く分かる。
アラン・パーカーの最高傑作。ジョルジョ・モロダーの音楽も素晴らしい。
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