[コメント] ニュームーン トワイライト・サーガ(2009/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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視覚効果で繋いだシーン展開や、狼のVFXが迫力不足であること、クリスティン・スチュワートがロバート・パティンソンの幻聴を聞く場面での単純な見せ方、といったヴィジュアルでの引っかかりもあるのだが、しかし全編ほぼ出ずっぱりのスチュワートには見ているだけで引き付けられる。
冒頭は、クライマックスのイタリアがフラッシュフォワードされ、そのまま森の中の花畑での老婆の夢にディゾルブされるのだが、このときのスチュワートはシャツのボタンを三つも外していて、18歳の誕生日に相応しい成熟した姿を見せてくれる。そしてそのように彼女の芝居もまた、一本の映画を経てきた役者なりの自信と経験に裏打ちされている。
とにかく誰も彼もが苦悩する暗いお話であるのだが、ならば救いようのないくらいにギリギリまで行くほうがいい、という世界観なので、徹頭徹尾緊張を強いられる。スチュワートを軸として、パティンソンやテイラー・ロートナーとの会話シーンでは、肩越しのクローズアップ切返しで構成され、キャラクターへの感情移入が高められる。
だから、ふと挿入される引きのショットが効果的だ。序盤、森でパティンソンから別れを告げられるシーンもいいし、映画館のロビーでの、ロートナーとの歩きながらの会話から、階段に座り込むスチュワートの動作もまたいい。彼女がロートナーの家を訪れる雨のシーンもハイライトの一つに加えていいだろう。
映画の感想は十人十色、ある人が美点と指摘したまさにそこがダメなんだ、と別の人はいうだろう。私はimdbの星取にはある程度の信頼を置いているが(星6つ以上なら見る価値あり)、本作のスコアは惨憺たるものだ。悪い映画とはどういう映画なのかなどと考えるとよくわからなくなってくるが、まぁいい。私は映画館で二回見たが、いずれもかなり楽しめたのだから。
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