韓国卓球チームの女子エースであるヒョン・ジョンファが風貌も含めアイドル的に描かれ過ぎていたり、南北の反目からの融和の展開のお決まり具合、そして試練が登場、それを克服して大団円というベタな展開。中国や日本もわかりやすくディスられている。

卓球の技術については、かつて『ピンポン』でも感じだところではあるが、つい最近オリンピックで何度も世界トップクラスの試合を見たあとというのも後押しとなり、作りものっぽさを濃厚に感じてしまう。原題の"KOREA"の潔く美しいのに比べて、仰々しい邦題もマイナス要素。

この作品を、正面切って良い映画だと言うのが、少しはばかられる内容ではある。

それでもだ。 手に汗握るシーンはちゃんとあり、スポーツの力をしっかりと感じられるし、ラストの別れのシーンの悲しさ、切なさは強烈だ。

また、ラストで、実際の2人の写真がはさまれるが、さんざん映画の世界に浸って涙も流していたのに、この写真が持つ力にはかなわないことを痛感させられた。リアルな2人が醸し出す雰囲気と並べられてしまうと、映画の中の作り物っぽさが際立ってしまうからであろう。