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[コメント] 蛇にピアス(2008/日)

身体を改造しても、自分は自分。
代参の男

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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芥川賞の映画化ということで、当然動く画面に作者の哲学が読見とれることを期待していた。作者もあえて蜷川監督を半ば指名し、期待していたと聞く。 ピアス、スプリットタン、タトゥなど、ファッション感覚で自分の身体に傷を付ける行為を描くことでは、この映画はリアルに成功している。ただ、原作者が描きたかったコンセプトまで描けたかということについては、及第点には足りないと感じた。 外見をどのように変えてみたところで、それが「神を超えた業」だとしても、所詮内面の自分は早々容易く変わらないと思う。ありきたりの社会生活を嫌悪し本名や家族や生い立ちをマスクして同棲生活をしていても、ふと我に返るのであろう。主人公は彼氏の死体を確認して慟哭する。「もっと普通の話をしておけば良かった」と。 違う自分になりたくて自分を見失ってしまう。 結局、自分は独りでこの世に存在しているのではなく、しがらみを背負って生きる宿命なのだ。自分の身体を傷つけてみても、痛いのは自分。それが好きだという人をあえて止めはしないし、そのようなSやMの性分を否定する気もないが、貴方が背負っているものを振り払おうとしても、簡単には離れません。

朝ドラを見ていると、吉高由里子の芸の幅を2倍に感じることが出来、この映画はとても楽しめます。ピアスの場面はどう撮影したのだろうか? CG?  それとも毎朝見ているドラマの中で「あっかんべー」の場面がもしあるとすれば、ピアスの痕跡が拝めるのか?

(評価:★3)

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