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[コメント] 007 スカイフォール(2012/英=米)

前2作のリアル路線ボンドを評価してきた身としては、ちょっと最後のシーケンスで今後に対して嫌な予感がしたのは残念。それでも十分楽しめた。
Master

**ネタバレ注意**
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前2作とは明確に作品全体のトーンを替えてきており、それがためのサム・メンデスというチョイスはなかなかに正しかったのではないか。

アクションの質はほどほどだったが、それぞれのキャラクタ、特にM(ジュディ・デンチ)、ボンド(ダニエル・クレイグ)、シルヴァ(ハビエル・バルデム)の描きこみは『アメリカンビューティー』『レボリューショナリーロード』を撮った彼らしい表現であったと思う。いわゆるボンドガールの存在感が異常に薄いのは、まぁご愛嬌か。その分Mのフィーチャーが半端でなく、これはこれでアリかと思う。

本作の範囲に限れば、ボンドのルーツの提示、Mの継承を経て次作への完璧な振りとともにエンドロールに突入するので、良い余韻の中で劇場を出ることができるが、個人的にはアストンマーチンに銃を仕込むようなビアーズ・ブロスナン期のボンド描写は出来ればご勘弁いただきたい。

ああいった創意工夫が本来のボンド映画というのは承知しているが、その路線はやはり現代には向かないと思う。

ラストのスコットランドの旧ボンド家に遠隔操作の爆撃機が飛来し、ステルスアストンマーチンからミサイル発射というような状況を想起していただければその「がっかり感」はご理解いただけよう。是非、その一線を踏み越えることはないようにしていただきたい。

本作においてはその点だけが不安である。

(2012.12.1 109シネマズ湘南IMAXシアター)

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)月魚[*] chokobo[*]

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