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[コメント] ブッシュ(2008/米)

イェール大学の同窓だからかと邪推したくなるほどオリバー・ストーンの矛先は鈍っている。だが、その分、子ブッシュの「愚鈍さ」がよく出ているとも思う。
Master

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







劇中、大リーグのテキサス・レンジャーズのオーナーとして活動していた時代、「コミッショナーになりたい」と言う子ブッシュに父ブッシュが「人には器というものがある。コミッショナーは諦めろ」と諭すシーンがある。このシーンが映画全体、そして子ブッシュに対するオリバー・ストーンの立ち位置を示していると思われる。「こいつは大統領の器じゃないんだ。父を超えようとして間違えたかわいそうな奴なんだ。」と言っている様に思える。

つまりは、人物像の提示に終始していて、「業績」に対する批判や論評はしていない。アメリカにおいてオバマ政権の誕生後、揺り返しが起こっていることを考えれば、その部分はあえて提示する必要がないと考えているようである。個人的にはそれは残念ではあるのだが、子ブッシュをただ単にコケにする作品を観せられたとしても笑いの中に相当陰鬱とした気分が残ることは容易に想像でき、それが得策かどうかと言う観点からすれば疑問も残る。

斯様に複雑な作品である。個人的には期待はずれだったので、この評価とさせていただく。

(2009.05.17 109シネマズ川崎)

(評価:★3)

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