[コメント] スパイダー 少年は蜘蛛にキスをする(2002/仏=カナダ=英)
「記憶」とは、あやしいものだから好き
幼い日の記憶はあやしげである。幼少時の父親・母親の記憶は思い出せないほど数多い。したがって整理つかないまましまいこんでいる出来事がたくさんあるのだ。整理をつけるというのは「あれはこういうことだったのだ」とか「こういうことであんなことがあったんだ」みたいな自分なりの納得、分類分け、みたいな作業を指す。整理つかないまま(それは理解を超えていて整理不可能な場合もあれば、時間に追われ放置する場合もある)でいると、漠然とした印象だけの状態で、それはあやしげな変貌を遂げることもままある。が、その漠然としたあやしげな記憶たちって、何故かなんだか心地よいのだ。その心地よさ、不思議で何か心揺らす感覚。その感覚の心地よさ、それがこの映画の全てだ。
おそらくこの映画の監督はそれを狙い絞りえてないのだが(僕の勝手な解釈であって監督にその義務は当然ない)、僕はそれを汲み取り高く評価したいと思う。
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