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[コメント] 懺悔(1984/グルジア=露)

この作品がソ連崩壊を招いた映画といわれるのも頷けましたね。
TM(H19.1加入)

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 「社会のためになることは全て道徳的である」というセリフがこの映画のテーマを象徴していると思いました。このような論理はソ連に限らず、さまざまな国家や組織において見られるものですが、そこで挙げられている「社会」の捉え方が問題なのではないでしょうか。

 この作品の社会は、その「社会」の意味が極端に言えば「社会を掌握している権力・権力者にとって都合の良い社会」なんですよね。そして、権力のそういった思考を多くの人々が恐怖に屈服し「沈黙」という形で受け入れてしまったことが大きな悲劇を生んでしまったことを、この映画は観客である我々に強く訴えかけているように感じました。

 本当に「社会」のためになることを為すためには、権力・権力者が無私であることが求められると思うのですが、欲望の生き物である人間が権力を持ちながら無私になることは中々難しいわけで・・・・・。それだからこそ、民主的な国家や会社はチェック・牽制機関を設けて何とか権力の暴走を食い止めようとしているわけなんですけどね。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)寒山拾得[*]

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