[コメント] 天国の口、終りの楽園。(2001/米=メキシコ)
クアロン監督の三つの意図。
観終った直後は過激なセックスシーン以外これといった印象が残らなかった。ノスタルジックで凡庸な青春ロードムービー。しかし、アルフォンソ・クアロン監督の意図を後に知って考えが変わった。彼は取材のなかでこう語っていた。「この映画は三つの旅を描いている。2人の男の子が大人になる旅、1人の女が解放される旅、そして10代 の少年のようなメキシコという国がアイデンティティーを見つける旅だ」
この話を聞くと、登場人物たちの生い立ちを説明する長々しいナレーションや、メキシコの人々の生活が垣間見えるシーンひとつひとつが大きな意味を持っていることを理解できる。この作品はメキシコという社会全体と、異なった境遇の少年たちや女の生き様を重層的に描こうとした情熱あふれる野心作だったのだ。そこまで読み取る力はぼくにはなかった。「ベッドシーンのモザイクがデカすぎるよ〜。台無しじゃん」くらいの感想しか浮かばなかった自分がちょっぴり情けない。
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