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[コメント] ブロンクス・ストリート(1994/米)

貧しさのために形成されたダメ人間の貧乏スパイラルというものを考えさせられた。
ダリア

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







観ていてイライラするほどのダメっぷり、馬鹿っぷり。彼らの馬鹿っぷりは、教育を充分に受けていないためであろう。受けたくても受けられない環境。お金を稼ぎたくても稼げない環境。

それは彼ら自身のせいではなく、彼らを取り巻く環境の責任。恐らくこの界隈の貧しさは、親の代、祖父の代から続いてきたものだろう。そして貧乏は、子供へと受け継がれる。

働こうと思っても働き口が無い。見つかったとしても仕事中に机の下でセックスをするような上司の会社。それでも「私は仕事を持っているのよ!アンタ達とは違うのよ!」と胸を張る。この辺りは社会全体がそんな雰囲気なのだろう。モデル事務所の、どうしようもない従業員の態度から見て取れる。

その世界から脱出するためには、主人公の息子のように、麻薬の売買、犯罪の世界へ実を落としてゆくしかないのだ。欲しいオモチャがあれば盗むしかなく、新しいジーンズや靴を買うためには麻薬売買組織へ。犯罪、それしか道が無いのだ。

もがいてももがいても逃れられない、その世界から抜け出せない。貧乏スパイラル、アメリカの底辺社会の実情を垣間見た。

(評価:★3)

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