この作品は、「相変わらず下品でオモロイしんちゃん達が怪獣をやっつけるだけ」という単純なストーリーだった。

これまでのクレしん映画なら、その中に「大人が共感できて、泣けるツボ」も盛り込んでいたように思うのだが、今作にはそれが無い。

例えば、変身に夢中になって家の中をとっ散らかしたみさえや会社の有給まで取ってしまったひろしが、終盤でその行いを反省したり、改めて家族仲良く普通の暮らしに戻ることを決意するのかと思いきや、そういった描写は無いままあっさりと終わってしまった。

肝心の怪獣退治に関しても、途中までのクドいほどの退治のシーンで退屈しきった上、ラスボスであるしんちゃん怪獣との決戦は拍子抜けするほどあっさりとカタがついてしまうし、なんなんだ一体、という心境。

相変わらずのしんちゃんの「ぶりぶりー！」ケツ攻撃や、波田陽区の登場で、劇場内で子供の笑い声は頻繁に起こったが、付き添いの大人は私も含めて、シラケきっていたのではないだろうか。

ただ、序盤の、朝、みさえがバタバタと朝の支度をするシーンだけは面白かった。「わかる、わかるーー！」とここだけは共感出来て笑えたことに、★１つ追加。