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[コメント] 機動戦士ΖガンダムII 恋人たち(2005/日)

フルスクリーンに展開される間違い探し。 TV版の枝葉を削ぎ落とし幹が太くなっている。しかし、本能で作ったとしか思えないTV版を理性で編集してよかったのだろうか、という疑問がつきまとう。
ロープブレーク

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







以下はトンでもな解釈を含みますので、そのようなものを不快に感じる方はバックボタンでお戻り下さい。

実生活でなぜかホモセクシュアルな方々と縁のある私。 小さい頃、病気がちな父を持ったため、母は仕事をしており、日本舞踊のさる家元だった隣家が第二の我が家でした。家元の女形のおじさまはもちろん男色。以来、小生のまわりにホモな方々(ゲイ・おかまを含む)が絶えたことはありませんでした。そして就職し、配属された先の先輩がバイセクでした。そんなわけで、行動を見ればその人がホモかバイかノーマルかをかなりの高率で見抜くことができるという特技を小生はもっています(小生自身は幸か不幸かいたってノーマルなのですが)。

さて、TV版Zのブライトさん、彼の内面にはバイセクがひそんでいます。 バイセクな人は、異性の伴侶には女性らしさを求めません。性的な魅力を感じるのは主に同性だからです。性的な記号に溢れた異性には淡泊なのです。そして才能に溢れた異性に 惹かれる傾向があります。会社の先輩がそうでした。そしてミライさんを結婚の相手に選んだブライト館長のクアトロ大佐の受け入れ方はかなり怪しい…。一年戦争を経験したのに、シャアと知ってて懐に入れるのは(館長にとって船は心理的には自分の身体を表します)、彼に惹かれているからに他ありません。

そして、クアトロ・バジーナ。彼の女性への接し方はノーマルのそれではありません。個々人の一人の女性ではなく、記号としての女性としか接しようとしない。『逆襲のシャア』では彼はマザコンを表明しますが、それだけでは、ララア以外の女性への態度への説明としては不十分です。ここはやはりホモだとした方が自然です。そして好色な女性は一般にホモに気づかない(男性を常に性の対象として意識してしまうので、相手もそうだとの錯覚がある)。

……てな勝手極まりない解釈をしては、ガンおたの妻と盛り上がっていたTV版Z。

ああそれなのに、映画版ではみんなノーマルに塗りつぶされていくような…、これが新訳なのか?

まるでうる星やつらのあたるのように、目の前のおねーちゃんにみさかいのないカミーユすら、この映画では奇行をひそめる…。これは限られた時間枠の中にエピソードを詰め込んだがゆえの副作用なのか、それとも…。

三作目で答えを知りたい、と思わせる本作は、商業的な意味で十分成功を果たした作品と言えるでしょう。

(評価:★4)

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