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[コメント] 十二人の怒れる男(1957/米)

エンターテイメントとしてのみ見たら、「あなたは間違っている」と面と向かって言われた時の、人それぞれの反応を寄せ集めた、一種の「どっきりカメラ」とも言える。
シーチキン

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







この映画の印象が強くて、アメリカの裁判はすべて、いちいち12人の陪審員が選ばれる陪審裁判かと思っていたが、実は刑事裁判で、有罪か無罪かを争う陪審裁判は、全体の7%に過ぎないらしい。

それ以外の裁判のほとんどが、最初から起訴された側が、「有罪」を自発的に認め、代わりに量刑の軽減を得る「司法取引」によるものだから、この映画のように、陪審員が有罪、無罪を議論して判定する必要のないものだそうな。

(これは民事裁判も基本的に同じで、「和解」「調停」のように日本でも裁判で結論を出す以前に、関係者同士で何らかの合意を得るケースがあるように、アメリカでも同様である。そしてその合意が得られなかった場合に、陪審裁判へ進むらしい)

したがって陪審裁判になった時点で、少なくとも被告の少年本人は、明確に「自分は無罪だ」と主張したということであり、この映画はそれを前提にしている。だから、肝心の有罪、無罪については、あえて語らないことによって、少年に肩入れするものではないと、さりげなくアピールしているということなのだろうか。

個人的には、あのナイフはいったいなんだったのか、とても気になる。

(評価:★4)

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