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[コメント] 暗殺の瞬間(1998/スウェーデン=フィンランド=ノルウェー)

学生時分にパメル暗殺のニュースを聞いた時、「おお、やっぱり世界のどこかに、名前は違えどゴルゴ13はいるんだ」と強烈な印象を受けた。そしてこの映画は、実在のプロの「殺し屋」とはどういうものか、『ゴルゴ13』以上に、リアルに、生々しく示している。
シーチキン

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







本名さえさだかでない、この映画に登場する「殺し屋」は、「殺人者」ではなく、「暗殺」のプロデューサーとして、行動している。

最初に、アフリカのようなところでは自らライフルで狙撃したり、またスウェーデンでも直接、鮮やかに何人か、殺害しているから、殺人の技術は優れたものをもっているのだろう。

しかし、肝心のパメル暗殺については、直接手を下すのではなく、情報を集め、道具をそろえ、元傭兵を雇い、彼に指示を下し、暗殺を実行させる。そして暗殺後は、そのすべてを直接、闇に葬って、自らの関与をいっさい消してしまう。

もし、本当に職業としての「殺し屋」というのが存在するのなら、そしての「殺し屋」のプロフェッショナルというのが存在するのなら、その仕事は直接人を殺害するよりも、この映画のように、「殺人」をプロデュースすることではないだろうか。

そう思わせるだけの、迫力と緊張感に満ちた映画だった。ただ、ラストがいささか陳腐だったが。

(評価:★5)

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