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[コメント] 野良犬(1949/日)

生身の迫力のある映画。
シーチキン

映画の隅々から戦後直後のばたばたした雰囲気が伝わってきた。

三船敏郎がまるで似合わない背広にネクタイ姿でがんばっていたが、それ以上に志村喬の存在感がすごい。穏やかで人あたりも良いのだが、その底には刑事として、何があっても犯人をつかまえてみせるという、執念というか「哲学」にまで高められた凄みがあった。その意味ではこれは黒澤明の映画というよりも志村喬の映画というべきだろう。

台詞が聞きずづらい箇所も多いし、50年も前の映画だけに、今と比べるといかにもスローテンポというか、ゆったりとした展開でもどかしさも感じたが、それだけに、今から50年以上前の日本、戦後直後の日本はああいう社会だったのだろうと感じさせるし、公開当時に見た人にとっては、そのほとんどが、「共感」というよりも身につまされる話だったのだろうなあと感じられた。

(評価:★4)

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