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[コメント] 土方歳三 燃えよ剣(1966/日)

池田屋事件の大殺陣などけっこう迫力もあったし、そこそこ面白い内容なのだが、その後ぞくぞくと続いた「新選組」ものの源流みたいな感じで、やや後発のものにおされたか、印象が薄まった感じはいなめない。
シーチキン

今日のドラマで描かれる「新選組」像というのがこの時期にはほぼ確立し、パターン化されていることがわかる。

大らかで気さく、武骨で誠実な人格者にして武士の鑑・近藤勇、

目的のためなら手段を選ばない切れ者・土方歳三、

どこか純粋で子供じみたところのある沖田総司、

という描き方に終始している。このイメージのおおもとは司馬遼太郎から発しているのかなあと感じさせた。

また清河八郎が浪士隊を勤皇攘夷に変えようとしたシーンは、この2年前に製作された清河八郎を主役にすえた『暗殺』の際のシーンとよく似ていて原作者が共通なだけはあると思わせる。

殺陣のシーンでは、土方以外の侍たちが、それなりの基礎を踏まえた中段の構えから敵の身体の中心付近への攻撃から入るのに対し、土方は基礎よりも実践を重視して片手で剣を構え、一撃必殺ではなく敵の身体の周辺部への攻撃から入る殺陣を見せるなど、それなりに、実戦重視を特徴とする天然理心流らしさを演出しているようにも見えた。

(評価:★3)

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