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[コメント] ロゼッタ(1999/仏=ベルギー)

劇伴なし。エンドクレジットも含めて全くなし。人物のアクションの中途からカットが始まる。ばたばた動き回ったり、格闘したりの繰り返し。これが面白い。見飽きない。
ゑぎ

 例えば、冒頭は、狭い通路を動き回るロゼッタ。勤め先を解雇された憤懣を体中で表現する。道路を渡って森の中へ入るカットも、待ちポジション(ロゼッタのフレームイン)ではなく、道路横断中から始まる。

 道路を横断して森の中に入ると、土管に長靴を隠している。長靴はとても大切な物なのだろう。長靴を履き、森の金網から池のある敷地へ出る。このあたりも何度か反復する。母親と追いかけ合いをし、池にはまる。泥で足を取られて溺れかける。池に落ちるシーンは後半にも、もう一度あり、最初のシーンがよい伏線(池の泥の状態の認知)になる。2度目のシーンのスリルが増幅する。

 ロゼッタはワッフルの製造販売会社で働き始める。社長はオリヴィエ・グルメ。売店の男リケはファブリツィオ・ロンジョーネで、この二人はダルデンヌ兄弟の映画では常連の俳優だ。リケのバイクに、ロゼッタと二人乗りするシーンがあり、特徴的なうるさい排気音が示されるのだが、以降、リケの登場はバイクの音で認識できる。これも効果的だ。尚、ラストはハッピーエンディングと捉えてよいと思うのだが、私には、こゝまでワザと曖昧にすることもないのに、と思えてしまうレベルだ。

(評価:★3)

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