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[コメント] 愛する時と死する時(1958/米)

プロローグからエピローグまで厳しいが美しい映画だ。まず冒頭近く、農民達を処刑するシーンの仰角カットが圧巻。本作も全編に亘って息を呑むような仰角の画面が随所にある。ジョン・ギャヴィンが瓦礫に立つカット等。
ゑぎ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 また、ヒロインであるリゼロッテ・プルファーの住む部屋のシーンは悉く肌理細かな演出だ。設定が閉所ということもあって演出もタイトで息詰まる。あと原作者のレマルクがしっかりセリフのある重要な役をこなしており驚かされる。そしてギャヴィンの友人で党の支部長に出世している男の家を訪れた際のデカダンも特筆すべきだろう。はべらせている女の描写も簡潔で良いが、ロシア戦線で民間人にウォッカをかけ焼き殺した話−レイヤーケーキと云う−これをマッチ棒で再現する狂った軍人が面白い。こういう部分を「告発する」という姿勢では無くあくまでも淡々と描いているので深み、複雑さが増す。複雑さということで云えば、ラストの突き放しも驚くべきものだ。

(評価:★4)

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