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[コメント] 男はつらいよ ぼくの伯父さん(1989/日)

前作で寅をウィーンへ旅させるという飛び道具のような技を使ったあと、試行錯誤するシリーズは本作で一大転機をむかえる。泉−後藤久美子の登場だ。こゝから寅の恋のシーンの比重が小さくなり満男がプロットを転がすようになる。
ゑぎ

 この映画もマドンナ−檀ふみはなかなかいい雰囲気だが扱いは極めて小さい。満男と泉のシーンは高校時代のブラスバンド部の回想や「軽いノリでアイラヴユー」なんてちょっと恥ずかしくなるシーンなど印象深い。ただ、本作で突出して記憶に残るのは中盤のバイク・シーン周りだろう。徳永英明の挿入歌。バイクの転倒をスローモーションで捕捉する、まるで寅さん映画らしくない演出。そして黒い革ジャンのバイク乗り、笹野高史。残念ながら本作で一番目立っているのは笹野高史なのだ。

#備忘で俳優などを。

・夢はなし。満男のナレーション。三両編成の電車。イッセー尾形が老け役。駅長役はじん弘。前作でウィーンから手紙を運んできた人と同じ。袋田駅。

・トラ屋には三平−北山雅康と珍しく備後屋−露木幸次が中にいる。渡し舟で川を渡ってくる寅。土産「頭のよくなる機械」。工場にマキノ佐代子

・「どぜう」の看板。酒の飲み方を教える寅。おねえちゃんは戸川純

・満男の告白。このシーンもいい。満男は「不潔だ」と云い、寅は「己の醜さを知った人はもう醜くない」と昔、博に云われたという話を持ち出す。

・名古屋。スナックに満男。泉の母親は夏木マリ。泉は佐賀県に。

・祭のシーン。ポンシュウ−関敬六とバイをしている寅。九州−不破万作と出会う。

・「えびす旅館」のシーン。女中は前作『心の旅路』で柄本と踊っていた芸者役の人。『柴又より愛をこめて』では笹野とからむスナックのママをやっていた。

・泉の家に寅と二人で訪ねる。髯のお爺さん−今福将雄に上げられる。檀ふみ登場。寅と満男、泊まることになる。尾藤イサオが帰ってくる。

・家の庭で壇ふみと。コスモス等の花が綺麗。「寅と呼んでやってください」

・郷土史会の人たち。中に石井均がいる。

・正月のシーン。空の凧。満男と友人二人。家に来る。「おかべとよっちん」。諏訪家の居間にはマキノ佐代子と工員の中村君−笠井一彦

・泉が寅からきた年賀状を読む。須賀神社(佐賀県)でバイをする寅とポンシュウ。レンタル杖を売る。

(評価:★3)

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