とても楽しく見ましたが、まあツッコミを入れるのも楽しみの一つということで、下に列記します。

・数センチのドリー寄りで、顔アップにしてキメ顔、というカットが百回ぐらいあったような気がする（ちょっと大げさ）。長澤まさみのカットで多数。

・プロット展開・編集で、時間を遡って見せる手法はいいけれど、同じシーン、同じ台詞を反復させるのは、時間がもったいなく感じて来る。

・マルタ共和国のシーンも、三代目の居所、縁側から見える屋内も、色使いが安っぽい。安っぽいと云えば、ビーナス像も絵画も全部チープに見える。

・前作は、関水渚が、もう一人のヒロインとして、映画に初々しさを付加していたが、本作は完全にヒロイン一人。長澤、本作でもアップは綺麗（特に口元）だと思ったが、ちょっと、はしゃぎ過ぎじゃないか。

・右目だけ青い瀬戸康史。出番も多く、全体に、よくやっていると思う。ただし、宝物庫で、飛び跳ねるシーンは、やり過ぎだ（演出家の指示と思うが）。

・松重豊が、顔も名前も分からないと言っていたのに、町で写真を見せながら聞き込みをしていて、繋ぎミスかと思ったが、ちゃんと種明かしされる。あるいは、瀬戸が、ボコボコにされてるのも不思議だったが、これはエンドロール中のスナップ写真で種明かし。ワザと周到にキャッチさせる作戦に引っ掛かった。

・エンドロール中のスナップ写真は、撮影現場の素の風景に模したものが多いが、本編のプロットを補完するものもある。しかし、これのために、スタッフ名を読めないじゃないか。どうせ、スタッフ名を読まないでしょ、と観客をみくびっているように感じる。尚、今回は、エンドロール後にオマケがあることを本編中に予測できます（誰もエンドロール中に席を立たなかった）。