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[コメント] カポネ(2020/米)

冒頭、感謝祭のシーケンスで、子供を追いかける場面から、なんとも思わせぶりな演出だ。全編、こんな調子で思わせぶりなのだが、一種、ジョークのような裏を狙ったものなのかも知れない。
ゑぎ

 部屋の壁の絵画を見るフォンス、トム・ハーディ。陽の光がさす絵。川からジャングルの上空へ上昇移動し、空へティルトして、タイトル。庭の彫像を映してクレジットが入るが、このあたりの荘厳さも、ジョークのようだ。

 現実と妄想の混沌で、面白さを出すというのが、本作の狙いであり、決して面白くない訳ではないが、イマイチ突き抜けない、中途半端な感覚を残す。例えばマット・ディロンの画面への出入りは、いたずらに混乱を引き起こしているだけではないか。サッチモの登場も、ルックスが似ていないこともあって、何をやりたいのか謎の造型。逆に金色のサイン(少年の持つ風船や、トミーガン)は分かり易いシンボルか。でもやっぱり、人参を咥え、オムツをつけたフォンスが、トミーガンをぶっ放す、というシーンが一番の見せ場ですね。こゝも、もっと強烈な画面に造型すればいいのに、と思わせるところが、突き抜けない、と感じるところでもあります。

 あと、庭の彫像「レディ・アトラス」へのこだわりと、FBIがあれほど探していたモノへのこだわりが、反故にされる結末も、これもジョークのようなものだろうか。

(評価:★3)

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