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[コメント] ジョン・ウィック(2014/米=カナダ=中国)

この一作目は、主人公−キアヌ・リーヴスのキャラ設定とそのアクションの独創性はとても面白いと思ったが、散見される、演出もしくは編集上のアラもかなり気になったのだ。
ゑぎ

 例えば、大好きなジョン・レグイザモウィレム・デフォーの扱いが中途半端なこと。あるいは、コンチネンタルホテルで登場する、謎の女−ミズ・パーキンズ−エイドリアンヌ・パリッキが、魅力的な悪女として描かれるかと思っていたら、これも思いの外弱いこと。それと、シリーズ通して重要な舞台となる、コンチネンタルホテルが、裏町のような場所の三叉路にあり、一見、安ホテルみたいに見えるのも違和感があるのだが、それは意外性のある面白さと云うべきかも知れない。

 序盤から中盤も緊張感は維持されるが、本作のエンジンがかかるのは(私のエンジンがかかったのはか)、ウィックが教会の神父の膝を撃ち、隠し金庫に案内させ、札束に火を放つシーンあたりからだ。この後、ウィックが簡単に捕まってしまうのも、すぐに殺されないのも演出が生ぬるいと思うけれど、ボスのヴィゴ−ミカエル・ニクヴィストが息子を見放すシーンと、この息子の簡潔な扱いはいいと思う。そしてクライマックス(雨と稲妻の中での格闘シーン)前のカーアクションと、車中で笑い続けるニクヴィストへの演出も意外性のある良い部分だ。あと、ウィックの妻の回想ショットが何度も挿入されるが、いずれもピンポイントの短いフラッシュバックであり、品のあるものだと思う。

(評価:★3)

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