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[コメント] ユンボギの日記(1965/日)

スチル写真のみで構成された、『ラ・ジュテ』(1962年作。日本公開は1999年)形式の映画。マルケルに比べると、画面が持つショッキングさも、瑞々しさも、少々劣っていると私は思う。ユンボキ少年の声は女性の声優が担当し、小松方正のナレーションが入る。
ゑぎ

 少年の顔写真。10歳の少年。テグの町。妹スンナ。その下にも弟妹がいる。お母さんは出て行った。お父さんが酒ばかり飲み、他の女とソウルへ行ったから。「男は働きにくい。お父さんを責めるな」と小松方正は云う。

 ユンボキはガムを売る。1個10円。ガム売りは補導される。希望園という感化院へ入れられる。でも脱走する。スンナは家を出る。次に山羊飼いに。

 8月15日。解放の日。日本による36年の支配。少年を煮詰められた唐辛子に喩える小松方正。次に靴磨きに。

 「死んでもいい。お母さんが一緒なら」「お母さんの写真は一枚もない」というクダリには胸が痛む。

 ユンボキはガム売り少年、山羊飼い少年、靴磨き少年、新聞売り少年、と畳み掛ける小松方正。それぞれ全て別の少年の写真だろう。ユンボキは韓国の全ての少年、という帰結。ちょっと、テクニカル(作劇術的)なモノを感じる。

(評価:★3)

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