[コメント] オー・ブラザー!(2000/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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コーエン兄弟とは相性がいい。なので、ずっとこの映画が観たかった。面白そうなのに、新作落ちまで待ってしまった一番の原因は、キザなクルーニーが主演だったからだ。
クール…けっ。
『ER』でもお禿げなアンソニー・エドワーズの方が好きだった私にとって、クールと称される彼が嫌でしょうがなかったのだ。この映画を観るまでは…。
けど、今目の前にクルーニーが現れたら、半泣きで「良かったよぉ〜!本当に、良かった!あんたは、エエ役者やぁ!」と、ハグハグ(まぁ許される訳ないのだけど…)しまくりだろう。
コーエン作品の中で、一番好きな作品となったこの映画、冒頭の脱走シーンから心をキュっと捕まれた。めちゃめちゃ分かりやすい逃げ方やん!その後、かなり汚いクルーニーを観て、もーーー、感激の嵐。そのハマリ具合と言ったら、コーエン組のジョン・タトゥーロやジョン・グッドマンに主役を奪われなかった程!
一週間前殺した馬のシチューと聞いた時の、ティム・ブレイク・ネルソンの表情とそんな事気にせず黙々と食べるクルーニーの対比!まさに神業!
盲目の黒人予言者いきなり「ネタバレ」とは、度肝を抜かれてしまった。題名と合わせると、先が読めてしまうのにも関わらず、最後まで楽しめちゃう。しかも、友情をひしっと感じるシーンでは、ウルウルしちゃったじゃんよぉ。
でもって、ちょっとオチャメな知事チャールズ・ダーニングのダンス。あまりの嬉しさに失神しそうになっちゃった。はーはー。
そこで終わりかと思ったら、彼らにはまだ先があった。私たちへのメッセージ。呪術が盛んだった南部にも、文明開化が起ころうとしている。電気が人々の生活を変えていく…ほんと、その通り。古き良き田舎町。学がなくて、ちょっと間の抜けた男達が、とても魅力的なこの時代。ブルースが心地よく、耳をすませば本当に大切なモノが見えてくるのかもしれない。
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