特に、ホテル相手にバーで酒を飲むシーンの彼と言ったら、見てられない。いくら「もう彼は狂喜の域に達しているんだから」と自分自身に言い聞かせても、うざいとしか思えない。

旦那を尻に引いていそうなタイプなのに従順な妻を演じたシェリー・デュバル。現場では、かなり横柄な態度でスタッフに嫌われていたらしいのだが、彼女がまた受け付けない。彼女自身から母性が全く感じられないし、ストーリーにおいても子供が「登校拒否」になっているのに、ちっとも親身になっている姿もなし。

黒人コック、ウルマンの良心が一番心苦しい。わざわざ少年を心配して遠くからやって来てくれたのに、あっという間にやられちゃっうなんて…。なんというか、人間の良心をズタズタにされた気がして、嫌悪感は募るばかり。

この映画の中で一番美しいと思ったのは、双子の少女がたたずむ姿。しかし、それも冒頭から過剰に見せているので、最後の盛り上がりに欠ける。

キーワードの使い方は上手いと思うのだが、あまり心に響くモノがなかった。