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[コメント] 泪壷(2007/日)

現実でも姉妹の妹や末っ子ってのは、姉より愛想があったり要領が良かったりする。1人っ子のわがままとはまた違った感じ。男を振り回すのはいつだって妹だ(笑)。
IN4MATION

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







今から約20年前、1人の少年に同時に出会った姉妹のうち、後に結ばれるのは積極的な妹の方。

それ以来、姉は少年への思いをそっと自らの胸の内に封じ込める。この辺りの演出はとっても丁寧で素敵。ラスト、姉の朋代が音楽教師になった経緯が回想シーンで明かされる。少し胸が痛い。

渡辺淳一作品はあまり読まない。最後に読んだのは『鈍感力』だったかな?

確か僕の記憶では、渡辺淳一は若い頃に初恋の女性に翻弄された挙句、自殺されたという苦い経験があるせいで、「愛した女が死んでいく」という展開の物語が多い。失楽園・愛の流刑地同様、この泪壷もそう。

本作は現代と過去の回想シーンを行き来しながら朋代の片思いを描く。その手法がとても丁寧で、感情移入は性別が違う僕でも容易。

久々に再会した姉妹と少年との3人で花火大会に行くエピソード。 普段着の妹に対して、わざわざ浴衣に着替えるのに手間取って遅れる姉。 2人っきりの機会に半ば強引にキスを迫る妹。それを目撃する姉。

その後の花火大会のシーンは描かれていないけど、浴衣を着た女の子の心中を察すると胸が痛む。

姉の気持ちに気づかないのか、妹。むしろ、姉に負けたくないから積極的になるのか、妹。なんだか、姉妹って複雑だ。

伝えたい思いがあるのに、姉という立場から抑え込まなくちゃいけない。その抑圧された思いは他の男たちとのセックスに向く。代替行為。

好きでもない男と?

理解できないようで理解できちゃうのは、きっと脚本が丁寧なせい。姉の「何でも我慢してしまう」性格の成り立ちが、幼少の頃からの「走る」行為でしっかり描かれているからだ。

いしだ壱成の芝居が不満。コイツのせいでこの映画の評価は★1つ落ちる。女性陣はみんないい演技をしてるだけにもったいない。

この映画もラストは伏せとく。男女問わず観てほしい1本。

ちなみに、小島可奈子の乳は、過去の渡辺淳一シリーズの女優の中では珍しく大っきめ。世間ではコレを「美乳」というらしい。

そっかな〜?

僕はむしろちっちゃめが好き!

(評価:★5)

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