数々のツッコミ所はあるものの、涙腺ゆるみっぱなしなのは自分が日本人だからだと思う。或いは戦争モノが好きなのかもしれません。 演出・絵作り・セリフ・演技と雑な部分が多々あったけど大目に見ましょう。これ以上が出来るなら日本は映画大国です。全世界に配給できます。

しかし、オールスターキャストも考え物ですよね。白石加代子、高畑淳子なんかは上手すぎで普通のおばちゃんじゃないやろ？仲代達矢もやっぱりうまい。ちょっと佐川満男に似てるけど。 このキャストに対する違和感は、史実に忠実な作品として見さすか、フィクションとして楽しまさすのかの分岐点になると思うが、製作者にその意識はあったのかなぁ？

残念なのが、主人公である筈の神尾少年。周りが反町・獅童なら向こうを張ってもっと若手のバリバリの男前でもヨカッタのに。恋人一人田舎臭くするのも変。 特に浮いていたと感じるのが 中村獅童ではないか。『ピンポン』と同じ発声やんか。その他ＴＶ俳優達にこれ以上期待するものはないけど、画面に登場して空気が変わるというか、その人となりを通して時代が見えるというような役者がいないのも淋しい。人物に奥行きがなくてつまらない。

細かなダメ出しをする自分が嫌になるけど、映画を見てる間は冒頭言ったとおり泣きっぱなし。特攻・玉砕・原爆といった無残で悲壮な敗戦への日本人の思いを上手く利用された気がする。泣く気はなかったのに泣いてしまった・・誰もいなかったら嗚咽してたと思う。日本の敗戦総括はまだ終わってないんだろうな。