おばあちゃんからよく言われた「・・・様のバチがあたるよ」。 懐かしい思い出がよみがえってきました。そうでした。日本にはそういった観念がつねにあったんでした。川にも山にも風呂にも苔にもどこにでも命が宿っていたのです。食べ物も粗末にしてはいけません。川を汚すなんてとんでもない。 実に清々しい社会の批判でした。昔のよき伝統は大切にせねばなりません。おばあちゃんは神様という媒体で、当たり前の事を教えてくれました。

この映画、田舎の人々は見たら一体どう思うのでしょうか？ だって、この映画で行われていることは、まあ登場人物や土台は異常ですが、普通一般的なことなのです。「後でお金を払えばいい」そういったお父さんとお母さんは豚になってしまいました。現在の観念は当たり前の事も、当たり前でない人々も沢山います。そんな人たちがこの映画を見たら？川を大切にし、森の神様、山の神様に常にお参りをし、自然と一体となって暮らしている人々にとってこの映画はどう写るのでしょうか？ 生まれも育ちも都会だった私にとっては想像もつきません。 この映画のように当たり前の事が、非現実的になってしまうのは悲しいですね。 今我々が暮らしている世の中が当たり前になってしまっていることが、当たり前じゃないと感じなきゃならないと思いました。いい映画です。