[コメント] 誰も知らない(2004/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
上映が終わり始めの感想は、「すごく淡々とした映画」と感じた。
感動というより...何か切なく悲しいものを感じました。
なんと、人とは力強く生きていけるものなんだろうと感じました。
子供・大人関係なく、人は自分が生きていく上でどうしたらいいのかわかっているものなんでしょう。
しかし、映画を見終わり、生きていく事に関してはもしかしたら大人より子供の方が強いと思う。
明は自分だけではなく、妹弟をも背負い生きている。力強く、挫折することなく...
明は純粋に生きていると思います。
妹弟の面倒を見て、生活を支え、学校に憧れ、友達を欲しいと思い、淡い恋をし、真っ直ぐ生きている。
明はどんなに辛く寂しい思いをしても、自分という道を踏み外さずに生きている。
友達に万引き誘われても、生活が苦しくなっても、汚いお金を渡されても、逃げることなく真っ直ぐ自分を見つめ力強く生きている。
明をこうしたのは全て、大人である。身勝手な大人...(本当は子供ではないのか?)
子供だけの生活...頭だけではなく、心(感情)の生活である。大人が決めたルールではなく自分たちが自分の為に決めたルールの中で生活している。
ボロボロになりながらも、ひっそりと生きている。誰にも知られない世界で...
そして、生と死に直面する。子供たちは何を思い感じて死を見つめるのであろうか。
ただ一つの思いの為に生きる。みんなと一緒に楽しく少しでも長く過ごす為に...
この映画には家族という言葉はない。
いつ見ぬ自分たちの幸せを...黙々と力強く突き進み見つけ出すまでに...
「最後の一粒のアポロ・・・」
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