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[コメント] サン・セバスチャンの攻防(1968/米)

この作品はもう何十年も前に「日曜洋画劇場」ではじめて観た。その時の淀川長治さんの解説を聞いて映画の見方、面白さを知った作品だ。
KEI

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 「日曜洋画劇場」は予算の関係も当然あったのだろうが、いつも傑作、名作、大作、話題作ばかりをやっていた訳ではなかった。時に、というか多くは2流、3流の作品だった。それでも淀川さんは何か良い所を見つけて、監督、キャスト、スタッフは元より作品の成り立ち、コンセプト等迄巾広い視点から解説されておられた。

 この作品で触れられたのは次のようなことだった。「鐘を鳴らすシーンがあります。鐘を鳴らすことによって村人が集まってくる。一つの鐘によって、皆の心が結びついている。一つの信仰によって皆が一つになっているということを鐘によって表しているんですね。」(文責:筆者)

 今回久しぶりに観たが、オープニング近くにも鐘が鳴っているシーンがあることに気が付いた。実に暗示的だ。

 鐘の使い方は元より、よく考えられたストーリーで大変面白かったが、後半に到ると尻すぼみになってしまい、ラストはバタバタと足早に店仕舞いしてしまった。

 少し長くなっても、悪役たちのバックボーンの描き込みとか、しっかりした手応えのあるラストにして欲しかった。そうすれば、埋もれなくて「傑作」になったかもしれない作品だ。

(評価:★4)

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