[コメント] 聖杯たちの騎士(2015/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
この主人公は作者マリックに違いない(現実に弟がおり自殺している。主人公名も同じ―リック―だ)。
彼は自分をキリストになぞらえ(‘東方の光’だ)、‘目的’をもって生まれてきたと言っている。
‘目的’とは真珠を探す事というが、これが曲者(くせもの)なのだ。「人々の目に宿る光」と言う。つまり、人々の喜び、希望を指すのだろう。
人々の喜び、希望を彼は探し求める。人々の喜びを得て、自分も同化したいと願うのか?それとも、逆にそれを奪おうというのか(悪魔か)?
いや、彼は選ばれた者だから人々に希望を与えに来たのか? 彼はキリストのような人だというのだからそれは納得はするのだが、何とも不遜じゃないか。不遜に関連して、気になるのは、映画の話の中身だ。
映画の内容は女性遍歴が中心になるが、メインの1つに人妻との不倫があり、妊娠させるエピソードがある。(私のナタリーの足をなめるな!)
彼は悩む。当然悩むのだが、その結末は何のことはない。神父が登場して来て 彼に言うのだ、「悩め、悩め。そしてその弱さに打ち勝ってこそ明日が見えてくる。前へ進むのだ」。
そして彼は、その言葉通り最後に言う、「(さぁ、新しい生活を)始めよう」。
何だこれは?! 妊娠問題はどうなった? これでいいのか?彼は今までこういう姿勢で映画作りを行ってきたのだ。これでいいのか?
という私も実は甘い話に乗せられて、彼の作品に高得点を与えてきたのだ。
最後に1つ疑問がある。前にコメントしたが、彼は物語作りが下手だ。撮影他は素晴らしいのに、実にお粗末な見せかけだらけの物語を作る。彼はハーバート大学哲学科を主席卒業している(wikiによる)。人間の事がよくわかっているハズなのに、どうしてだろう?
でも人間なんて、そんなものかもしれない? 分かると作るとは違うのでしょうね。
我々コメンテーターは、彼の‘嘘(?)’を見抜く目を持っていなければならない、ということなのだろう。
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