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[コメント] 山椒大夫(1954/日)

これぞ傑作!これぞ名作!これぞ日本映画!そして、今回始めて原作を読んでみた。違いは、
KEI

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







違いは3つ。 1、原作は安寿の犠牲精神をしっかり書いている。鴎外は言いたかったのだろう。「こんな状況のとき、あなたなら死ねますか」と。だから安寿は決心するまで何ヶ月もかかったのだ。そこをしっかり書いている。これがこの小説の主題のように思われる。  2、正道が禁止令を出すところ。映画は現実に即して、実際こんな令を出せばどんな混乱が起きるかを描いている。が原作は、あっさり一行、「出した」で片付けている。 3、ラストシーン。小説はのどかな田舎の大きな屋敷の庭で再開する。静かな静かな優しさを含んだラスト。一方映画は場所を海辺に替えた。日本海の荒波が二人の人生を表しているよう。表現力豊かな映像のラストになった。 こう見てくるとさらに思う。これぞ傑作!これぞ名作!これぞ日本映画!

(評価:★5)

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