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[コメント] ブレイブ 群青戦記(2021/日)

戦国自衛隊』の超劣化版。当然の事ではあれ、新田真剣佑を筆頭に戦国時代に放り出される高校生たち全てに、度胸・戦闘力・覚悟がない。これでは高校生大虐殺はもっともで、後半の逆襲こそが絵空事そのものだが…こんな筋運びでの三浦春馬松山ケンイチの救済は勿体ないほどだった。
水那岐

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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また、東宝シンデレラの山崎紘菜も20代半ばであるとはいえ、高校生仲間ではレベルの下がる芝居を引き留めてくれるくらいの芝居を見せてくれた。

でもやはり、これは無理があった。千葉パパの『戦国自衛隊』で百戦錬磨の武将と戦うのは、この国で数少ない戦闘のプロ揃いなのだし、そういう彼らですらひとり残らず惨殺されて歴史の陰に埋もれる。原作では彼らは歴史に組み込まれて「織田信長」の名で呼ばれる男として名を残すのだが、ことこの作品にはそんな扱いはできたものではない。サイコパス先輩も含めて歴史の自己防衛力に押し戻されるのが関の山だろう。だから、この作品ではラスト以外死ぬほどウジウジしていた真剣佑が、徳川家康を名乗るラストには腰が抜けた。最後の決闘はお話を終わらせる以外の意味合いは全くなく、双方ともいつ武将になれるほどの武芸を身に着けたのかわからなかったのが正直なところだからだ。

演技でいえば名のあるキャラが致命傷を負うたびにはじまる、友との愁嘆場もなんとかしてほしかった。そんなことをしてたら背後から斬られて死体が増えるだけだし、戦闘のリズムを破壊すること甚だしかったからだ。やはりこの演出家を褒めるわけにはいかない。

あとまあ、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の物真似はさすがに痛すぎた。SFを撮りたいなら理屈くらい自分で考えてほしい。あと、これだけの大惨事に晒された高校に、簡単に元通りの平和な笑い声が響き、ヒロインが主人公の肖像画を教科書に見つけて笑う、などという締め括りはさすがに肩が落ちた。リアリズムの問題以前のことだと思えるのだが。

(評価:★2)

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