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[コメント] 長髪大怪獣 ゲハラ(2009/日)

所詮は「大人のお遊び」である。だが、この「大人の」であることが重要であり、『ギララの逆襲』等較べるにも価しない手間とアイデアと金がつぎ込まれていることが理解できる。財源があることが重要なのではなく、お遊びを真摯に遂行する志こそが求められるものなのだ。
水那岐

みうらじゅんの、この作品制作のきっかけとなった「怪獣コンテスト」には自分も応募しており、僅かながらテレビで紹介された作品もあったものだ。最終選考には残らなかったものの、お陰で怪獣デザイン仲間が数人でき、その点このプロジェクトには足を向けて寝るわけには行かない。

欲を言えば、お遊びではあっても最後の詰めまでは全うして欲しかった。開田裕司の映画ポスターに描かれたゲハラには、黒くて長い剛毛が全身に生え揃っており、その不気味さの発露は類を見ない。それが劇中のもじゃもじゃ頭のファンシー怪獣では興ざめだ。上映会に先立っての座談会では、みうらが「観る子供のトラウマになるようなサムシングが怪獣映画には必要だ」といみじくも語っているように、可愛い怪獣に映画のタイトルを名で飾る資格はないのだ。そのあたり、特撮がこの上なく頑張っていたのを見習って欲しかった。残念な実験作だ。

(評価:★3)

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