[コメント] アクトレス 〜女たちの舞台〜(2014/仏=伊=スイス)
女優人生の下り坂にさしかかる、その苦境に抗いつつもがき続ける徒労感と、無自覚なままに流行の先端をゆく者に対しての絶望的なジェラシー。それが現状維持の役割しかもたらさないことを熟知しながらも、ベテランは同じ土俵に立つことにこだわり、過去を追い続ける。その悲しさはすべての競争社会に敷衍される。
クリステン・スチュワートの若さの価値がなにものにも負けず輝く。彼女に最終的なダメ出しをされてしまうジュリエット・ビノシュの「愚かしさ」を誰が笑うことができようか。この切実なドラマは、演技社会ならずとも痛感させられるいたみのメタファーでもあるだろう。
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