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[コメント] 超劇場版ケロロ軍曹3 ケロロ対ケロロ 天空大決戦であります!(2008/日)

ああ、TV版はもっとすばらしく面白いのだろう。自分にとっての早朝アニメである長寿シリーズの人気あってこそ、この映画は創られたのだという実感をひしひしと感じながら、腹立たしい気分をなんとか抑えていた。
水那岐

正直、現在のキッズアニメを批判する気はないのだ。声優に客寄せパンダの有名人をたま〜に使うことはあっても、主役にはプロを使うマトモさ(ジブリなんぞは自分たちの高尚な趣味で声優を使わないことに自ら酔い痴れている、度し難い連中であることは疑うべくもない。その追随者がこれ以上増えないことを願う)は健在だし、低俗な笑い、暴力、お色気といった子供の成長に不可欠な要素ももちろん含まれている。しかし、しかしである。

劇場版となるとどうしてここまで偽善的になるのだ。

「特別なつながり=友情」なんてことは視聴者の誰にも判っていたことだ。極めてイマサラなお説教でしかない。そんなことを言葉で語らせるためにこの90分の動画は存在したのか。TV版については少々は観ているのだが、はっきりとギャグ漫画だ。そこには一片の教訓も含まれていない。しかるに映画となるとこのザマだ。

自分はこの劇場でのTV漫画のカッコつけを、『ドラえもん』効果と呼んでいる。ギャグ漫画に浪花節が入るのは古風だが許す。だが教訓だの道徳だのが入ってくるのは、はっきりと邪魔そのものだ。ギャグ漫画は悪い子のためのものだ。百害あって一利なし、がギャグ漫画の鉄則だ。子供は持っていないが、自分にもし子供がいたならば「安心して与えられる」漫画なぞ脳が腐っても見せはしない。母親に無理強いされて名作アニメだのを見させられているようなら、親が寝たのを見計らってもうちょっと不道徳なアニメを見る背中を声をかけずに眺めたい。それでこそ子供だ。

しかしこの作品については、演出のまだるっこしさやパロディにおんぶしているあたりが度が過ぎていたこともあり、その面でも救いがなかったのが実情だった。大体キルルの映画のみの設定を引き摺ったことで判り難さに拍車がかかってもいる。『ケロロ軍曹』の映画についてはもう希望はつなげない。第四話はもうDVDが出ているが、手は出すまいと思っている。

ギャグ漫画には、相性も大切なのだろうな。

(評価:★1)

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