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[コメント] ウルヴァリン X-MEN ZERO(2009/米)

ウルヴァリンの生い立ちはよく判ったが、これは「Xメン」シリーズがラストを迎える前に作られるべきだった作品だろう。ヒュー・ジャックマンの板についた演技は円熟の境地を迎えているが、サービスとしてのシリーズ重要人物との絡みは、既に決着のついた人物として引いてみてしまうのは致し方ない。
水那岐

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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不老不死の位置に彼を置いたのは原作どおりなのだろうが、サイクロップスやプロフェッサーXの末路を描いたあとにすれば、彼らの末路が目の前にちらつき、助かったことを安心できる立場にはいられない。ウルヴァリン人気あってのスピンオフなのだろうが、それでも残心をもって他の仲間達を出さないことに徹したほうが、俗な展開に惑わされることにならなかったのではあるまいか。

そうとは言え、自分はこのミュータント映画に嫌悪感を抱いているのではない。漫画界では十数年サイクルで忍者モノブームが来るというが、今の日本のお気楽なそれらの前には、エスパーが忍者と同じ役割を果たしていた。闘わされることで生存権を得、それを嫌う者には権力側の超能力者が制裁を加える。まさに抜け忍の世界である。『カムイ外伝』の国では、この新たな抜け忍映画はどう評価されることだろう。楽しみではある。

所詮アメコミ原作としても真剣に演じるジャックマンは観ていて好感が持てる。その人気ゆえか、早くも続編が日本を舞台に作られるという話。正直そちらのほうに期待は高まる。どうか監督の命令でも奇妙な日本の描き方に反論できる、頭のいい日本女優が相手を務めてほしいものだ。もっとも、自分もウルヴァリンの日本名のコンテストに一案を送ってしまったあたり、あまり偉そうなことは言えないのだが。

(評価:★3)

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