誰だ、こんな作品を脱力系だなんていっているのは。これは血と愛液と小便が怒涛となって流れまくるスカトロ映画以外の何物でもない。 グロで、悪趣味で、成海が汚されて汚されて汚されまくる映画だ…と書くとまるで成海が輪姦されるみたいだな。いや、そこまではいかない。 でも、だ。出てくる人間は気色悪い生態を見せる変質者揃いだし、事もあろうに最もサイコな殺人者は成海のモト彼で、彼女はそんなカレを愛しているのだから始末に負えない。一見無関係な登場人物の関連性が明らかになるクライマックスも、その人物達に全くシンパシーがもてないのだからおしまいだ。繰り返し言うけど下品だし。

で、最後でやっと救われた。成海は清純でいいんです。成海は血で手を汚さなくていいし、小便で気持ちの悪い思いをしなくてもいいんです。もちろん一から十まで腐敗した世の中の合わせ鏡である、警察署においてひとり爽やかさを振り撒いてもいいんです。そういう特権的な女優はいつの世も必要だ。

そういうものだ、世の中は。