[コメント] 霧の子午線(1996/日)
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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映画は『天国の駅』に輪をかけてひどいものであった。新聞記者の岩下と固い友情を結んだちぎり絵作家の吉永。このキャスティングはいいだろう。だが、紹介されて間もない玉置浩二にいきなり唇を奪われたのち、自ら家に彼を迎えて体を受け入れた上に、あまつさえ自分に好意を寄せていると判っている岩下の息子にまでキスをして反応を楽しむ彼女は、まぎれもない淫乱だ。
それでなくてもこの映画は一種狂気じみている。カット毎にそれぞれのキャラの性格や行動が激変していて、観る者を混乱の渦中に突き落とす。笑ったと思えば泣き出し、平静な顔でいたと思ったら野獣の咆哮をあげて突っ伏す岩下は情動失禁か。ノルウェーに旅立った岩下を追っていきなり彼女のホテルを訪れ、無理して礼拝堂で踊ったあげく急死してしまう吉永といったら尋常の思考法をしていない…。
はっきりと言おう。出目昌信は無能だ。
(追加)デビルマン那須真知子も無能だ。〈04年11月〉
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