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[コメント] 乱(1985/日)

こんなに凄まじい合戦シーンは、この後の日本映画で登場するだろうか・・・?二人の天才の融合作品。
Keita

**ネタバレ注意**
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 往年からの黒沢ファンにとってはこの映画は少し違うのかもしれないが、自分は黒沢映画暦が浅いので、この映画にはものすごく力強さを感じた。日本映画はこれからどんなに技術が発展したとしても、ここまでの壮大な大作を作り上げることはなかなか出来ないのでは?と思った。合戦シーンの迫力といったら言葉が出ないほど。ちなみに、ポータブルDVDの小さい画面でこの映画を見たのです。これが大画面だったらさらに感動していたかもしれない。現在の日本映画はCGも使用するようになってきたが、これだけ規模の大きい実写の合戦シーンなんて技術があっても撮れないのではないだろうか?特に、中盤の合戦シーンがお気に入り。終盤の方は少し似たカットが多かったのが残念な部分だが。

 ストーリーもシェイクスピアの『リア王』の脚色なわけだが、二人の天才がうまく融合してると思った。もともとこの手の悲劇は好きなのだが、この映画も人間の卑劣な部分について考えさせられる。人生というものを良く物語っている。様々な人間関係の中でそれぞれ感じるところが多い。特にピーター仲代達矢との間。チャラけているようで実はピーターが要所でぐっとした台詞をはくのが印象的。仲代達矢の廃人演技も強烈。2時間40分の大作を小さい画面で見たのに、ここまで印象深くなるとは・・・すごいよ、黒沢さん。

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)chokobo[*] ゑぎ[*]

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