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[コメント] ピアニスト(2001/仏=オーストリア)

女、泣くな。泣くな、女。
ALPACA

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







予告編で観ていた「トイレ引きずり出しのキスシーン」は、名キスシーンのひとつか!と思ったものの、こう繋がるとは。と、 映画を観る者への挑発。かと思うくらい、次の画面へ、次の行動を、客に想像をさせつつ微妙にその想像を越える様はどうだ。そして、どこまでも上品。テキストで考えれば、日本のピンク映画的でもあるのに、この品は出せない。感情移入させるのではなく、こういう女は、ここにいるのだと力技で納得させるイザベル・ユペール。。 でも、そんなに泣いてばかりいる芝居をして。ずるいよ。とも思ったり。

ちなみに、わたしは、最後のナイフで男を刺すのか。と思ってしまったものの。わたしの想像を遥かに越えた「衝撃の一撃」だった。よろよろ歩いてフレームアウトするラスト。音のないエンドロール。それはそれは見事だった。

●また、彼女がいかに性的嗜好で痛められることが快感であったとしても、ラストの一撃だけは快感のためではなく、自らの決意。あの男と自分のある部分との別れを示したようでもあり、その行動はとても人間的で美しく、もっとも共感できた行動だった。

ただ、どういうわけか、何かが薄く感じてしまう。2,3年経つと忘れてしまう映画のようでもあり、そんな余計なことも、ここに記す。

------ サイマフ様

あの剃刀は、性的嗜好のひとつだったのでは。そして、男に殴られたのは、素直に喜んだ。だからこそ、男にさらなる愛(とはもはや違うのかも)を感じたからこそ、あのラストに意味があったのでは。と個人的に感じました。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)tredair[*] ina

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