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[コメント] プライベート・ライアン(1998/米)

感動&反戦巨編を装った「軍事マニア向け娯楽作品」
こしょく

…と切って捨てるのは簡単だが…と戒めようと思うが、やはり好意的評価はできない。

 戦争映画は常に両サイドから描かなければいけない (例えば『トラ トラ トラ!』) わけではないと思うので、視点が常に米軍サイドのみということについては何もいわない。しかし、降伏してどこまでも命乞いするのはドイツ兵だけ…というのを観ていると、描写に一方的なものを感ぜざるを得ない。

 娯楽作品ならそれもよかろう。しかし、初っ端のリアルな戦闘シーンや捕虜の取り扱い問題等、観客に戦場を「リアル」に意識させる割には、これでは「御粗末」としか言いようがない。

 …やはり、映画はどんなに気取っても所詮は「娯楽」であり、遠くない過去の戦争を「娯楽」として描くのは至難だということなのだろうか。しかし、世には見事に描き上げている作品もある。

 蛇足ながら、スティーブン・スピルバーグは戦争ものなら「軍事マニア向け娯楽作品」の方が向いているのではないかと思うのですけど…。私の周りの軍事マニアは、兵器考証等々をこそ大絶賛していました (私もマニアですけど、海軍系なのでよく解らなかった(苦笑))。下手に気取らず、「コンバット」みたいにスカッと流せばよかったんじゃないでしょうかねぇ。もっとも、「コンバット」に於いてすら、双方を対等に描いている回はありましたけど。

(評価:★2)

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