[コメント] 修羅雪姫 怨み恋歌(1974/日)
政治、敬意、愛情。いろいろな物を取り込むことで雪の復讐がどんどんと濁っていく。これはこれで面白いのだけど、行きずりの人の怨みを晴らすのであれば、その手法は『必殺!』の方が長けている。今作には前作で最も重要な要素であった「運命」がないんです。
ただ、悪役の岸田森を始め、原田芳雄、伊丹十三などの配役は絶妙だったと思います。またオープニング、後ろから来る敵を見もせずにズバズバと切り捨てていく雪の長回しは絶品。その後に死体の浮かぶ池の水を飲むシーンも、救いがなくて良かったなぁ。
設定を見ると、前作で二十歳そこそこだった雪も今作では三十路。まぁその物語も歳に応じて世間ズレし、深みと丸みを帯びたってことなのかも知れません。十年逃げてりゃそりゃ疲れるわな。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (1 人) | [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。