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[コメント] ジャンヌ・ダルク裁判(1961/仏)

 後光の差さないジャンヌ・ダルク像はとっても新鮮。
にくじゃが

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 このジャンヌは他のジャンヌものと違って「ピカッ!」と後光が差し、「わたしがフランスの天使だ〜」というところがほとんど感じられなかった。

 審問を受けてる最中も「神懸かり」と言うよりは「ふぬけ」みたいで何となくぼんやりした感じ。所々厳しい目つきをするときは「おや?」と思うけど、謎の白衣の男に助けを求めたりもして「絶対無敵の神の使者」ではなく「不安におののくただの娘さん」という感じが貫かれる。だから周りのヤジも違和感なしだし、審問官がいやらしく、弱いものいじめを楽しんでいるようにしか見えない。

 そんな、曖昧なジャンヌ像だからこそ、ラストは呆気にとられてしまう。でも「うそだあ!」ではなく「もしや、ほんとに?」だ。すくなくともわたしにとっては。

(評価:★5)

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